Latest Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

マスカレイドの零時

 秋山真琴さんが主催されている往復書簡に、「面白いとは何か」というお題を投下(もしくは譲崎ネロでSSを書くという2択)したところ、伊藤鳥子さんが、「起承転結」をしっかり付けることと「セックス&バイオレンス」、と回答された。人生の先輩はいつも大切なことを教えてくれる…と心から思った。(ちなみに秋山さんは譲崎ネロでSSを書いた。)
 なぜその話をするのかというと今村友紀さんの『マスカレイドの零時』を読んだからである。本作は「セックス&バイオレンス」どころか、デストラクションであり、キル・エム・オールであり、白くて清潔感のある表紙が白々しく思えるほど赤とピンクに染め抜かれている。ただし、本作におけるバイオレンスとは、伊藤さんがいうバイオレンスとはおそらく意味合いが違う。
 冒頭でレイディーは、すべては任務遂行のために完璧で、自分は物事を確実にやりとげると宣言する。それから、彼女は煙草をポイ捨てするので悪者である。ハリウッド映画で十分に教育された我々の世代は、この手の悪者が用意周到で計画的であることをよく知っている。なのでレイディーはきっと何の痕跡も残さずにターゲットを始末していくのだろうと予想する。ところが、彼女の仕事ときたら、いきあたりばったりで雑である。セックスの最中にその相手がターゲットだと気付いたり、顔や表情を隠すために能面を被って出て行きかえって目立ったり、ぜんぜん完璧なんかじゃないのである。
 我々が通常考えるようなプロセス――ある目的のために計画し、実行の過程があり、その先に結果がある、というような――からすれば、レイディーの行動はトンチキで無謀に思える。しかし、先ず結果がある、という見方をした場合はどうだろう。本作の目的、というか結果が破壊そのものであるとするならば、そこへ至る手段としての彼女は無計画で然るべきなのかもしれない。
 行き当たりばったりのほうが、派手に暴れてまわるには都合がいい。言われてみればハリウッド映画の悪役も、つまらないことで尻尾を出し、最後には銃撃戦と爆発になだれ込むではないか。

http://imamura-tomoki.tumblr.com/

テーマ:読んだ本の感想等 - ジャンル:小説・文学

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://0tas.blog118.fc2.com/tb.php/348-d9216ab6

«  | HOME |  »

2017-05

  • «
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • »

プロフィール

 

0tas

管理人:佐藤(サークル代表)
0tassat0@gmail.com
http://twitter.com/0tas
同人誌の情報はカテゴリー→告知をご覧下さい

 

カテゴリー

最近の記事

最近のコメント

リンク

最近のトラックバック

月別アーカイブ

ブログ内検索

 

 

RSSフィード

 

アンテナ

 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。