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グッドモーニング

小説は、つかみが肝心だそうである。僕も異論はない。特に、同人小説に関しては。

同じ文学フリマに出展している批評家にすら見向きもされない、どこの馬の骨とも知れない同人作家が、どうしたら読んでもらえるか。通りがかった客を、とにかく捕まえるしかない。表紙とタイトルで釣り、本文の最初の二行のインパクトで捕まえる。すぐにスペクタクルがやってきて、次の段落ではクライマックスをむかえる。それが売れる小説なのだ。

『LASSO 特集:消える』に掲載されているオカダファクシミリさんの『グッドモーニング』は、その意味では失敗作である。

http://colombre-news.blogspot.com/2011/10/40.html

しかし、本品が傑作である所以は、上記の方法論とは反対のところにある。『グッドモーニング』の冒頭は、つまらない男が演じるありふれた朝の風景と、愚痴じみたモノローグでなくてはならない。コーヒーをめぐる、同棲相手とのやりとり。なあんだ、よくある私小説かと、読者が欺かされなくては意味がない。

逆にいえば、全てに意味があるのだ。全てが精巧なパズルのピースである。パズルは時間を逆回しにしなくては解けないが、その過去には到達するだけの価値がある。

本作は間違いなく傑作だが、このやり方は本来、名の売れた作家にだけ許されるハズだ。批評家が選び、書店員が選び、王様のブランチでインタヴューされるような作家。中身を確認するまでもなく、面白いとわかりきっている作家であればこそ、これが一体どうやって盛り上がっていくのかという不安な立ち上がりであろうが売れる。

残念ながら、オカダファクシミリさんの『グッドモーニング』は、そう多くの人には読まれていないだろうし、これからも読まれないだろう。かくいう僕だって、読み始めはナンだ意味なしダラダラ小説かなあと思いつつも、語り口が面白いのと電車が空いていたからという理由で何となく読み進めたのだった。ところが数時間後、僕はオカダファクシミリさんの数少ないファンのひとりになっていて、今度はソロで出されるという次回作にも期待しまくっているのである。

テーマ:同人小説 - ジャンル:小説・文学

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