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文藝同人LOL 第9号,第10号

ヤシロさんの『LOL』 第9号と第10号を第九回文学フリマで買って読んだら面白かった。

 第9号 http://lollollol.exblog.jp/10830419/
 第10号 http://lollollol.exblog.jp/12464742/

複数の作者による読み物の本として、非常に出来が良い。特に構成とかが凝っているという感じは無いのだが、個々の作品がみんな面白いのだ。みんなバラバラのことを書いているわりに、読んでみると妙なまとまりがある。なぜそう感じるのかは自分でもよくわからないのだが、とくに第9号に関しては、作風として読者の側に向いているというところは一つあると思う(そうでない作品もあるが)。執筆陣に演劇に関わっている方が多い(?)ようで、それが関係しているのかもしれない。

比べるようで悪いのだが、同文学フリマで買った『銀座線』第14号は有名どころということで楽しみにしていたのだが、作者の内面に向いた私小説的な作品が多く、正直に言ってあまり楽しめなかった。(もちろん、大変に面白い作品もあった。収録作品全体に対する比率という意味で…) 書き手としての私は、確か3年くらい前までは『銀座線』に多く収録されているような作品を目指していたはずだ。しかし今は読者の側を向きたいと考えている。どちらが優れているということではなく、ただ今はそうしたいというだけの話である。しかし今、同人誌に限らず物書きに求められているのは、読者の側を向くことだと私は思う。そのような観点で『LOL』という同人誌は時代性に沿っていると思う。バックナンバーも第9号のようなクオリティーで作られているのであれば是非読みたい。

以下、収録作品についての感想です。(敬称略)

・『みずさきあんない』(屋代秀樹・第9号収録)
モノローグ風の作品だが、偶然の出会いから道連れになった女性の台詞が差し込まれる。しかしながら内容的にはやっぱりモノローグであり、話し相手の女性は実は語り手の内面を映す鏡としての存在ではないかと思える。喪失から来る悲しみともとれない感情を処理できないモドカシサという、ごく内面的な内容を、道を行きながら相手の女性に喋らせることで、ロードムービー風に仕立てることに成功している。岩明 均(…は漫画だけど)の作品のようなドライ感があり、表現にあえて隙間をつくることで物悲しさを演出するのが上手い方だと思います。

・『きよらなる海』(新家智実・第10号)
怪作と呼ぶべきだろう。主人公視点で一人の女性を想い続けるという内容の作品なのだが、性犯罪者の独白を聞かされているような凄みがある。(妙な喩えだが、断じて貶しているのではない。) はっきり言って推敲不足で、重要なシーンで脱字があったり、連続する段落の先頭が何度もヒロインの名前で始まっていたりと、問題もある。しかし一方で情景から内面への連続的な表現がゾッとするほど巧かったりするし、何より思春期独特の歪な内面性の表現が、まさに迫真の描写であって、ムチャクチャ怖かった。こういう小説が読めるのは同人誌の醍醐味だと思う。

テーマ:本の紹介 - ジャンル:小説・文学

コメント

感想ありがとうございます。

「きよらなる海」については、私個人の感想と近く、あの不気味さを味わってもらえてうれしいです。

拙作についても、なんとなくやりたかったことをそのまま指摘していただくとはありがたいことです。

LOLは基本的には私の読みたいもの、読みたい人の作品を載せるというスタンスなので、私の好み、という点でなんとなくまとまってるのかもしれません。

バックナンバーは全部品切れで、かつ第9号が一番真剣に作ったものなのですが、サイトで一部作品を読めるようにしているので、良かったらご覧ください。

屋代さん

バックナンバーが品切れとは残念です(TДT)
それでも第9号を入手できたのは幸運でした。サイトのほうも拝見させていただきます!

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