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Preseved flower

 本人が聞いたら「お前誰だ」ってことになるとは思うが、鳥久保咲人氏には注目していたのである。したがって、氏が『Preseved flower』という完璧な短編小説を発表されたことを大変嬉しく思うし、僕の目に狂いがなかったという意味で誇らしくも思う。(我ながらうざい。)
 作中において人と人とがわかりあうことは決してない。物語は全て内なる世界への旅であり、初めて出会った大切に思える人、それすら自分の鏡像である。やがてその相手は自分とは違う他者であることを知り、少年は彼女に向けた愛がエゴであることを認めながら、それを肯定し、愛し続ける。肯定の物語を最後まで美しく描ききることに、鳥久保氏はとうとう成功したのだ。本当に素晴らしい。
 本作はキャラクターの造形がいい。ヒロインの神山も良い雰囲気だが、なんといっても主人公である。むやみやたらに深刻な悩める若者でありながら、どこかとぼけた台詞まわし、かと思えば直情的なところも見せたりして、その存在感を印象付けると同時に、緩急つけながら物語をひっぱっている。
 また、脇役の大人たちは、主人公との短いやりとりを通じて、作品に味わいを持たせつつ、レールを踏み外して思うままに突っ走る主人公をさりげなく肯定するという、重要な役割を担っている。それは少年の、見方によっては身勝手な想いを、世界が受け入れたことを意味している。この世界観は好きだ。

http://yaneuranoinja.blog82.fc2.com/
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テーマ:読んだ本の感想等 - ジャンル:小説・文学

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