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ハイヴァネイト

また風邪をひいて調子が悪いが、『ハイヴァネイト』について書いておかなくてはならない。安心して読んでいられるのは七月二十五日の午後二時三十三分を過ぎたあたりまでで、そこから先は止めようがなかった。オカダファクシミリさん独特の語り口だけがそうさせたわけではない。「日時+名前」という形式の見出しが、ダイナミックな構成とカメラワークを滑らかに繋ぎすぎていたせいでもあるのだ。そして、カメラは常に人物の内側に据えられている。レンズが捉えるのは主観的な風景で、マイクはモノローグをも拾うのである。これらの手法によって時間と空間と主観とを行き来しながら描かれるのは、繋がっていると信じたものが断絶し、一方で無関係だと思い込んでいるものが実は繋がった複雑な世界と、そこに暮らす人々の現実である。

http://asagao-wpeace.blogspot.jp/2012/03/blog-post_25.html

何人かの登場人物のうち、最も注目すべきは葵である。特に終盤における彼女の描かれかたは、リアリズムの極致だと言える。我々は彼女の主観的な現実を、フィクションである本作によってしか知ることができない。なぜなら、もし葵という人物が実在したとして、彼女がその心中をこのように綴ることは、おそらくできないからだ。そしてもう一人、僕がどうしても気になる人物が、保である。これは本作における謎のひとつであるが、どういうわけか彼だけが、徹底して客観的な描かれかたをしている。風呂にすら入らない引きこもりの彼であるが、作中で最も的確かつ客観的に自分を評価しているのだ。物語の最も深いところにいるのは、保と葵の兄妹なのではないかと僕は思う。登場人物の多くが自分だけの閉じた宇宙に存在している本作において、二人の繋がりだけが特異点である。
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テーマ:同人小説 - ジャンル:小説・文学

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2012-05

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