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reward system
古川さんという同人作家の方が書いた『reward system』という短編がおもしろいです。『mouse』という短編集に収録されています。
SKIP Jack
http://skipjack.oops.jp/
『mouse』
http://off.skipjack.oops.jp/?eid=427361
人の感情や物に刻まれた記憶を「匂い」として感じ取るという特殊な能力を持った主人公、香子が、事件に巻き込まれていく話なのですが、「匂い」という媒体の曖昧さが展開を面白くしています。加えて香子がけっこうダメな子なのもいい。ダメな子なうえに特殊能力も微妙に使えない、だけど事件に係わる「誰か」の感情を嗅ぎ取ることで、なんとなく本質に近付いていく。サスペンスなんだけど、主人公による捜査の精度が低くて、どうなっちゃうんだろうと心配になりながら、結末まで一気に読めます。
『mouse』の他の収録作品もそうですが、この方は物語の作り方がうまいので、安心して読めるのがいいですね。
SKIP Jack
http://skipjack.oops.jp/
『mouse』
http://off.skipjack.oops.jp/?eid=427361
人の感情や物に刻まれた記憶を「匂い」として感じ取るという特殊な能力を持った主人公、香子が、事件に巻き込まれていく話なのですが、「匂い」という媒体の曖昧さが展開を面白くしています。加えて香子がけっこうダメな子なのもいい。ダメな子なうえに特殊能力も微妙に使えない、だけど事件に係わる「誰か」の感情を嗅ぎ取ることで、なんとなく本質に近付いていく。サスペンスなんだけど、主人公による捜査の精度が低くて、どうなっちゃうんだろうと心配になりながら、結末まで一気に読めます。
『mouse』の他の収録作品もそうですが、この方は物語の作り方がうまいので、安心して読めるのがいいですね。
オノレ・シュブラックの失踪
破滅派 最新号に、ギヨーム・アポリネール『オノレ・シュブラックの失踪』が掲載されています。
http://hametuha.com/mokuji.html
これはかっこいいです。ショートショートのかっこよさが存分に味わえる作品だと思います。己戸春作氏の和訳もビシッとシャープでこれまたかっこよい。(もちろん僕には原文は読めませんが。)
8ページの短い小説なんで時間が無い現代人にもおししめです。
http://hametuha.com/mokuji.html
これはかっこいいです。ショートショートのかっこよさが存分に味わえる作品だと思います。己戸春作氏の和訳もビシッとシャープでこれまたかっこよい。(もちろん僕には原文は読めませんが。)
8ページの短い小説なんで時間が無い現代人にもおししめです。
復活!精神病新聞全部4
小林絵理子さんのかいているフリーペーパー「精神病新聞」を知らなかったので、全部4をはじめて読んでその面白さに衝撃をうけました。精神病で薬を飲んでいる自分という重そうなテーマを中心に書き綴っているのに笑って読めるのが素晴らしい。いきなり秘宝館レポートからはじまるし。グイグイひきこまれますね。これを読んでいると、文章というのはやっぱり第一に面白くないと駄目なんだなと思います。まず読んでもらえないと。どんなに書きたいことがあっても、読んでもらえないことにははじまりませんので、とくに同人小説とかミニコミとか手にとってもらいにくいものは面白くないと駄目なんだなと思わされました。プックンの小説はメッセージとか全然無いくせに無駄に重く感じる文章で逆方向だと思った。来年の方向性がちょっと見えた気がします。っつか自分の来年のアレとかはどうでもよくて精神病新聞ですよ超おもしれえ。フリーペーパーは月1かいでタコシェにしかないそうです。まめにいかないと。
牡丹燈籠
実はいつか時代物を書きたいと思ってまして、そういう小説なんかもボチボチ読んだりしておりますのですが、三遊亭円朝師匠の牡丹燈籠に出てくるお米さんのことがすごく気になっています。
牡丹燈籠といえば美人の幽霊がカランコロンと下駄をならしてやってくるシーンが有名です。美人の幽霊の名はお露、その傍らで、牡丹をあしらった灯篭を携えているのが、付き人のお米さんの霊です。
霊、ということは死んだということですから、死因というものがあります。お露の死因は「恋煩い」ということになっています。萩原新三郎という美男に一目惚れ、しかし会うことかなわず食事はのどを通らず日に日にやせ衰えついには死んでしまう。現代では考え難いことですが、昔のことですから恋路にも家の掟やら縛りやら障害も多かったのでしょう。百歩ゆずって、お露の死因についてはそういうこともあったのだろうと納得することにします。
納得できないのはお米の死因です。若林柑蔵氏の速記による原典には、お露とお米の墓のある寺の僧のセリフのなかに、ひとことこうあるだけです。
これだけ。お米さんははじめは生きた人間として登場し、霊になってからお露以上に活躍するのに、文庫本一冊にわたる物語のなかでその死因について語られるのは上の部分だけなのでス。プックン気になっているのはここです。看病疲れで死ぬって何なんでしょうか。お露とお米は二人暮しですから、疲れて死ぬだなんてちょっと考え難いプックンであります。
血縁やそれ以外の縁など人間関係の描写が非常にリアルで細かい「牡丹燈籠」ですが、どうも読んでいくと死については扱いが軽いようです。昔は今よりも人が簡単に死んだ、死という物が身近で日常的なことだった、という背景があるのかもしれませんが、そのへんのニュアンスは今のプックンにはちょっとわからんです。
もう一つ、岩波文庫版の奥野信太郎氏による解説で、牡丹燈籠の元になった中国の明の時代のお話「牡丹燈記」について触れています。それによると、牡丹燈記にもお露の付き人にあたるキャラクターが出てきますが、元々人間ではなく人形の霊として登場するようです。三遊亭円朝師匠は話にリアリズムをもたせるため人形の霊を人間として描いた、しかしその死因までは頭が回らなかった(もしくはどうでもよかった)のかな、というのがプックンの解釈です。
しかし…やっぱりいまひとつ納得いかない。プックンこういう細かい辻褄が気になってしまう性質で、そのせいでときどきエンターテイメント作品を心から楽しめないことがあります。
牡丹燈籠といえば美人の幽霊がカランコロンと下駄をならしてやってくるシーンが有名です。美人の幽霊の名はお露、その傍らで、牡丹をあしらった灯篭を携えているのが、付き人のお米さんの霊です。
霊、ということは死んだということですから、死因というものがあります。お露の死因は「恋煩い」ということになっています。萩原新三郎という美男に一目惚れ、しかし会うことかなわず食事はのどを通らず日に日にやせ衰えついには死んでしまう。現代では考え難いことですが、昔のことですから恋路にも家の掟やら縛りやら障害も多かったのでしょう。百歩ゆずって、お露の死因についてはそういうこともあったのだろうと納得することにします。
納得できないのはお米の死因です。若林柑蔵氏の速記による原典には、お露とお米の墓のある寺の僧のセリフのなかに、ひとことこうあるだけです。
「あれはその娘のお附の女中でこれも引続き看病疲れで死去いたしたから、一緒に葬られたので。」
これだけ。お米さんははじめは生きた人間として登場し、霊になってからお露以上に活躍するのに、文庫本一冊にわたる物語のなかでその死因について語られるのは上の部分だけなのでス。プックン気になっているのはここです。看病疲れで死ぬって何なんでしょうか。お露とお米は二人暮しですから、疲れて死ぬだなんてちょっと考え難いプックンであります。
血縁やそれ以外の縁など人間関係の描写が非常にリアルで細かい「牡丹燈籠」ですが、どうも読んでいくと死については扱いが軽いようです。昔は今よりも人が簡単に死んだ、死という物が身近で日常的なことだった、という背景があるのかもしれませんが、そのへんのニュアンスは今のプックンにはちょっとわからんです。
もう一つ、岩波文庫版の奥野信太郎氏による解説で、牡丹燈籠の元になった中国の明の時代のお話「牡丹燈記」について触れています。それによると、牡丹燈記にもお露の付き人にあたるキャラクターが出てきますが、元々人間ではなく人形の霊として登場するようです。三遊亭円朝師匠は話にリアリズムをもたせるため人形の霊を人間として描いた、しかしその死因までは頭が回らなかった(もしくはどうでもよかった)のかな、というのがプックンの解釈です。
しかし…やっぱりいまひとつ納得いかない。プックンこういう細かい辻褄が気になってしまう性質で、そのせいでときどきエンターテイメント作品を心から楽しめないことがあります。

