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第十九回文学フリマ
第十九回文学フリマに参加いたします。
「第十九回文学フリマ」
2014年11月24日(月祝) 11:00~17:00
東京流通センター 第二展示場
http://bunfree.net/?19th_bun
ブースは、 Eホール(1F)E-03 です。1階の向かって左側の入り口から入って正面です。文学フリマガイドブックの売り子をやってます。ついでに俺の本も買え。
http://bunfree.net/?%CA%B8%B3%D8%A5%D5%A5%EA%A5%DE%A5%AC%A5%A4%A5%C9%A5%D6%A5%C3%A5%AF
うちの売り物は新刊『牛舌靴屋』と既刊『流刑暮らし』(上・下)です。
https://c.bunfree.net/c/bunfree19/1F/E/3
牟礼鯨さんの俳句の本『逃避癖のための句誌羇旅』(読めない……)にも参加しています。
https://twitter.com/suikageiju/status/531778026405523458
よろしくおねがいいたします。(パソコンが壊れてここのIDがわかんなくなって超焦った)
「第十九回文学フリマ」
2014年11月24日(月祝) 11:00~17:00
東京流通センター 第二展示場
http://bunfree.net/?19th_bun
ブースは、 Eホール(1F)E-03 です。1階の向かって左側の入り口から入って正面です。文学フリマガイドブックの売り子をやってます。ついでに俺の本も買え。
http://bunfree.net/?%CA%B8%B3%D8%A5%D5%A5%EA%A5%DE%A5%AC%A5%A4%A5%C9%A5%D6%A5%C3%A5%AF
うちの売り物は新刊『牛舌靴屋』と既刊『流刑暮らし』(上・下)です。
https://c.bunfree.net/c/bunfree19/1F/E/3
牟礼鯨さんの俳句の本『逃避癖のための句誌羇旅』(読めない……)にも参加しています。
https://twitter.com/suikageiju/status/531778026405523458
よろしくおねがいいたします。(パソコンが壊れてここのIDがわかんなくなって超焦った)
超S宣言
正確なタイトルは『宇宙時代の処世術ー(宇宙適)超S宣言』だ(長い)。森井聖大さんが書かれた本である。
http://nazehenshubu.blog38.fc2.com/blog-entry-736.html
↑の書影だとわからないが、第十八回文学フリマでは麻紐で縛った状態で配布されていた。紐をつかった装丁といえば鹿ソウルさんの本があった。こちらではページをとじるために用いており、正当な用法である。一方、『超S宣言』の場合は本自体を縛ってしまっており、紐をほどかないと読めなかったので、めんどくさい。
文章を読み解くという行為には多少の忍耐が要るもので、この本の場合は、「S」が何を意味しているのか知るためにKが登場する場面まで読み進めなくてはならない。ちなみに僕自身はNである。僕が2011年の暮れにはじめた『文学フリマ非公式ガイドブック』という企画(最近タイトルが『文学フリマガイドブック』にかわった)は、とりあえず種を撒いておけば後の世の人がなんとかしてくれるだろうという魂胆のもとに立ち上げたものであり、超個人主義者たるSの発送としてはありえない。
『超S宣言』はS向けに書かれた文章ではあるのだが、Nの僕にもああわかるなあと思える部分も多々ある。以前つきあいのあった今おもえばSである人物は、社会的なことをあまり気にしないというか平日の昼間に電話をかけまくってくるので頭にきて付き合うのをやめたのであるが(Nは平日の昼間は勉強なり仕事なりで忙しいにきまっている)、一方でそいつは中々あたまがよく魅力的な企画を思いついたりする。そして、僕にその企画に参加しろというので面白そうだからやるぜという気持ちになるのだが、Sゆえなのか、そこから先はぱったりと企画が進行しない。3ヶ月後くらいにイメージイラストを1枚描いて、また何もしなくなったりとか、そんな感じなのである。何か思いついたふうなことを言うだけ言って何もしないヤツを見ると、僕はイライラするのだ。「コレコレこういう問題があるんですよネェ……」などと言い捨てて僕が解決するのを待っているやつなんかは金玉が腐って死ねばいいと思う。こういうことを思う自分は、まったくもってNなのだろう。
自分のことを色々かいたが、『超S宣言』の内容とは全然関係ない。『超S宣言』を乱暴に説明すると、森井聖大さんが自分のことを色々かいた本である。森井さんは面白い人なので、この本は面白いのだ。もし、つまらないヤツが自分のことを色々かいたとしたら、そんな文章はつまらないに決まっている。だから、つまらないヤツは小説を書くしかない。
それから、前作の『エロオナニスト宣言』もそうだったが、読んだあとで謎の活力がわいてくる。これは本当に不思議なのだが、よし、明日からもがんばろうという気になれるのだ。少なくとも、本作を読んだ誰ひとりとして、暗い気持ちにはなるまい。もしかすると、これがシャーマンの力なのかもしれない。
http://nazehenshubu.blog38.fc2.com/blog-entry-736.html
↑の書影だとわからないが、第十八回文学フリマでは麻紐で縛った状態で配布されていた。紐をつかった装丁といえば鹿ソウルさんの本があった。こちらではページをとじるために用いており、正当な用法である。一方、『超S宣言』の場合は本自体を縛ってしまっており、紐をほどかないと読めなかったので、めんどくさい。
「Kというのは名前のイニシャルか?それとも夏目漱石のこころから?」
「きちがいのKよ」
文章を読み解くという行為には多少の忍耐が要るもので、この本の場合は、「S」が何を意味しているのか知るためにKが登場する場面まで読み進めなくてはならない。ちなみに僕自身はNである。僕が2011年の暮れにはじめた『文学フリマ非公式ガイドブック』という企画(最近タイトルが『文学フリマガイドブック』にかわった)は、とりあえず種を撒いておけば後の世の人がなんとかしてくれるだろうという魂胆のもとに立ち上げたものであり、超個人主義者たるSの発送としてはありえない。
『超S宣言』はS向けに書かれた文章ではあるのだが、Nの僕にもああわかるなあと思える部分も多々ある。以前つきあいのあった今おもえばSである人物は、社会的なことをあまり気にしないというか平日の昼間に電話をかけまくってくるので頭にきて付き合うのをやめたのであるが(Nは平日の昼間は勉強なり仕事なりで忙しいにきまっている)、一方でそいつは中々あたまがよく魅力的な企画を思いついたりする。そして、僕にその企画に参加しろというので面白そうだからやるぜという気持ちになるのだが、Sゆえなのか、そこから先はぱったりと企画が進行しない。3ヶ月後くらいにイメージイラストを1枚描いて、また何もしなくなったりとか、そんな感じなのである。何か思いついたふうなことを言うだけ言って何もしないヤツを見ると、僕はイライラするのだ。「コレコレこういう問題があるんですよネェ……」などと言い捨てて僕が解決するのを待っているやつなんかは金玉が腐って死ねばいいと思う。こういうことを思う自分は、まったくもってNなのだろう。
自分のことを色々かいたが、『超S宣言』の内容とは全然関係ない。『超S宣言』を乱暴に説明すると、森井聖大さんが自分のことを色々かいた本である。森井さんは面白い人なので、この本は面白いのだ。もし、つまらないヤツが自分のことを色々かいたとしたら、そんな文章はつまらないに決まっている。だから、つまらないヤツは小説を書くしかない。
それから、前作の『エロオナニスト宣言』もそうだったが、読んだあとで謎の活力がわいてくる。これは本当に不思議なのだが、よし、明日からもがんばろうという気になれるのだ。少なくとも、本作を読んだ誰ひとりとして、暗い気持ちにはなるまい。もしかすると、これがシャーマンの力なのかもしれない。
通電少女
『通電少女』は
PRODUCED BY ノンポリ天皇
ということになっていて、ノンポリ天皇こと尾崎さんと15歳の女子3名により通電少女小説3本と漫画1本がのっている。
通電少女というのは何かというと、それは本の裏に書いてあるのだが
↓ここのいちばん下の画像
http://tsudengirl.jimdo.com/
それぞれの作品は、以下の設定で統一されているっぽい
・主人公は押置加奈、中学二年生
・父さんは外科医
・インターネットの通電少女募集をクリックして通電少女になる
・通電少女は悪い人におしおき(電気を流す)をする
・悪い人かどうかは自分の意志で決める
僕はこの本を最初から読んでいって、最初に掲載された小説、きりこ氏の『正しい電気の使い方』を読んで、こいつはマジでクレイジーだと思った。文学フリマで本をいろいろ買って読んでいくと、ときどきぶちあたるリアルクレイジー系である。安東洪児さんやストカストさん、それに尾崎さんが小説としてちゃんと意図したクレイジー系であるのに対し、文藝同人LOL 第10号に掲載された新家智実氏の『きよらなる海』などはリアルクレイジー系である。アンソロ本に対してこういうことを書くと怒られそうだが、それでも正直にいうと、きりこ氏の作品を前にすると、ほかの3作品は(尾崎さんの作品すら)霞んでみえる。
通電少女の設定で最も重要なのは「悪い人かどうかは自分の意志で決める」だと思う。『正しい電気の使い方』は字も大きいし短い作品だが、短いなかで悪ということに対する若い人間の葛藤と罪への転落がズバリと描かれている。さらに××(名前さえないクラスメイト)のディティールがいい仕事をしており、抜群のおもしろさである。××が真の主観というふうにも読める。
PRODUCED BY ノンポリ天皇
ということになっていて、ノンポリ天皇こと尾崎さんと15歳の女子3名により通電少女小説3本と漫画1本がのっている。
通電少女というのは何かというと、それは本の裏に書いてあるのだが
↓ここのいちばん下の画像
http://tsudengirl.jimdo.com/
それぞれの作品は、以下の設定で統一されているっぽい
・主人公は押置加奈、中学二年生
・父さんは外科医
・インターネットの通電少女募集をクリックして通電少女になる
・通電少女は悪い人におしおき(電気を流す)をする
・悪い人かどうかは自分の意志で決める
僕はこの本を最初から読んでいって、最初に掲載された小説、きりこ氏の『正しい電気の使い方』を読んで、こいつはマジでクレイジーだと思った。文学フリマで本をいろいろ買って読んでいくと、ときどきぶちあたるリアルクレイジー系である。安東洪児さんやストカストさん、それに尾崎さんが小説としてちゃんと意図したクレイジー系であるのに対し、文藝同人LOL 第10号に掲載された新家智実氏の『きよらなる海』などはリアルクレイジー系である。アンソロ本に対してこういうことを書くと怒られそうだが、それでも正直にいうと、きりこ氏の作品を前にすると、ほかの3作品は(尾崎さんの作品すら)霞んでみえる。
通電少女の設定で最も重要なのは「悪い人かどうかは自分の意志で決める」だと思う。『正しい電気の使い方』は字も大きいし短い作品だが、短いなかで悪ということに対する若い人間の葛藤と罪への転落がズバリと描かれている。さらに××(名前さえないクラスメイト)のディティールがいい仕事をしており、抜群のおもしろさである。××が真の主観というふうにも読める。
熊コーヒー
第十八回文学フリマで、
有限会社0.1t (ゼロドットワンティ)さんが出展されていた
『熊コーヒー』を読んだ。
m-floの『One Sugar Dream』でバワリー・キッチンについて歌われたのは2000年のことで、ちょうどそのころはカフェブームだった。みんな、一杯のコーヒーを飲むために行列をつくっていた。それより昔には、生豆で1キロ5000円もするブルーマウンテンNo.1を飲んだことがなければ珈琲を語ることができない時代もあった。
一杯のコーヒーにこだわることで、どうしてそれで幸せになれるのかは謎であるが、『熊コーヒー』でこだわりの一杯を前にした二人は、確かに幸せそうである。読んだ僕のほうまで、柄にもなくこだわってみたくなるのだ。
有限会社0.1t (ゼロドットワンティ)さんが出展されていた
『熊コーヒー』を読んだ。
m-floの『One Sugar Dream』でバワリー・キッチンについて歌われたのは2000年のことで、ちょうどそのころはカフェブームだった。みんな、一杯のコーヒーを飲むために行列をつくっていた。それより昔には、生豆で1キロ5000円もするブルーマウンテンNo.1を飲んだことがなければ珈琲を語ることができない時代もあった。
一杯のコーヒーにこだわることで、どうしてそれで幸せになれるのかは謎であるが、『熊コーヒー』でこだわりの一杯を前にした二人は、確かに幸せそうである。読んだ僕のほうまで、柄にもなくこだわってみたくなるのだ。
第十八回文学フリマ 佐藤参加報告
第十八回文学フリマに参加しました。
当サークルからの頒布数は、
流刑暮らし 上下巻あわせて 45部でした。
お買い上げ有難うございました。
楽しんでいただけたら幸いです。ご感想いただけると嬉しいです。
頒布数的にはあまりのびなかったという印象でしたが、
前回、上巻が 38部出たので
上下巻あわせて80部超えてる、と考えるとそれなりに流通してくれているようです。
在庫は超絶いっぱいあるので、これからも少しずつ動いてくれるといいなあと思います。
イベント当日は天候がいまいちだったせいかお昼過ぎ(13時くらいまで?)
あまり人通りがなかった感じでした。カレーおいしかったです。
13時~15時に一気に動いた感じです。
ひとりサークルなんで席を外すタイミングが結構アレなのですが、
開幕直後はブースにいなくてもよかったや……とか思いました。
(鯨さんの新刊完売で買えなかった)
店番してくださったかた、ありがとうございました。
Wi-fi環境が使えるということで、急ぎでKDPの無料DLとか用意しましたが
設定ミスっていて当日は無料になりませんでした。すみません。
それでは、お疲れ様でした>自分
当サークルからの頒布数は、
流刑暮らし 上下巻あわせて 45部でした。
お買い上げ有難うございました。
楽しんでいただけたら幸いです。ご感想いただけると嬉しいです。
頒布数的にはあまりのびなかったという印象でしたが、
前回、上巻が 38部出たので
上下巻あわせて80部超えてる、と考えるとそれなりに流通してくれているようです。
在庫は超絶いっぱいあるので、これからも少しずつ動いてくれるといいなあと思います。
イベント当日は天候がいまいちだったせいかお昼過ぎ(13時くらいまで?)
あまり人通りがなかった感じでした。カレーおいしかったです。
13時~15時に一気に動いた感じです。
ひとりサークルなんで席を外すタイミングが結構アレなのですが、
開幕直後はブースにいなくてもよかったや……とか思いました。
(鯨さんの新刊完売で買えなかった)
店番してくださったかた、ありがとうございました。
Wi-fi環境が使えるということで、急ぎでKDPの無料DLとか用意しましたが
設定ミスっていて当日は無料になりませんでした。すみません。
それでは、お疲れ様でした>自分
第十八回文学フリマ
第十八回文学フリマに参加します。
2014年5月5日(月祝) 11:00~17:00
東京流通センター 第二展示場
配置はEホール(1階)のA-02です。右奥のはじっこあたりとなっております。
新刊のポスターをめじるしにおいでください。

新刊は『流刑暮らし』下巻です。もちろん上巻も頒布しますのでご安心ください。
あと当日は例のフリーペーパーの配布があります。
このところ配布を休んでいましたが、お客様から
おめーのサークルはフリーペーパーがなかったら存在価値なしじゃヴォケ
というニュアンスのことをいわれるので復活させました。
Kindle、iOSまたはAndroid端末をお持ちのかたにはお得な情報もありますので要ゲットだぜ。
それから『文学フリマ非公式ガイドブック小説ガイド2014年春(通巻第5号)』(長い)の委託頒布もあります。
時間軸が前後しますが↓のUstreamの、5月2日(金)19:30~21:00の回にゲスト参加しますんで、よろしければご覧ください。
http://bunfreeug.web.fc2.com/
Ust http://www.ustream.tv/channel/bunfreeug2014spr
ほんじゃまかよろしくおねがいします。
2014年5月5日(月祝) 11:00~17:00
東京流通センター 第二展示場
配置はEホール(1階)のA-02です。右奥のはじっこあたりとなっております。
新刊のポスターをめじるしにおいでください。

新刊は『流刑暮らし』下巻です。もちろん上巻も頒布しますのでご安心ください。
あと当日は例のフリーペーパーの配布があります。
このところ配布を休んでいましたが、お客様から
おめーのサークルはフリーペーパーがなかったら存在価値なしじゃヴォケ
というニュアンスのことをいわれるので復活させました。
Kindle、iOSまたはAndroid端末をお持ちのかたにはお得な情報もありますので要ゲットだぜ。
それから『文学フリマ非公式ガイドブック小説ガイド2014年春(通巻第5号)』(長い)の委託頒布もあります。
時間軸が前後しますが↓のUstreamの、5月2日(金)19:30~21:00の回にゲスト参加しますんで、よろしければご覧ください。
http://bunfreeug.web.fc2.com/
Ust http://www.ustream.tv/channel/bunfreeug2014spr
ほんじゃまかよろしくおねがいします。
イカサレ(略称)
「イカサレ」は略称であって本当のタイトルは「私はあなたに触れたいという欲求が私はあなたに触れられないという禁則から逆説的に生まれていることを知ったとき、私はあなたに生かされていると感じる。」である。長い
http://ameblo.jp/rehabilog/entry-11665622537.html
本作は第十七回文学フリマで買ったのだが、表紙に卒塔婆をつかった攻撃を仕掛けようとしている女子が描かれていることから、文学フリマ的な作品だといえる。文学フリマの参加サークルの一部で卒塔婆が流行っているのだ。中身も、わかる人にはわかるネタが満載の、サービスいっぱいの作品だった。
山本さんの作品はいくつか読ませていただいたが、電子書籍版の「イムルダイ宣言 【エッセンシャル版】」と「少女○○して ここより先、春。」に出てくる秋山クレハという女子のキャラクターが好きで(僕の中では、柄の悪い涼宮ハルヒみたいなキャラということになっている)、本作「イカサレ」も女子が主役ということで、なんか山本さんは女子が主役の作品がイイ感じのような気がしているが、どんなもんでしょうか。
一方、相変わらずのダジャレ満載、面白さ満点の言い回しであふれた作品であるが、すこしそこに頼りすぎの感じもしないでもない。例の長いタイトルであるが、最終的に物語がそのタイトルに到達しているかというと、微妙だと思う。ノリが良すぎて核心の部分を乗り過ごしている気がする。
とかなんとかいろいろあるが、川原明日架はいいキャラである。
http://ameblo.jp/rehabilog/entry-11665622537.html
本作は第十七回文学フリマで買ったのだが、表紙に卒塔婆をつかった攻撃を仕掛けようとしている女子が描かれていることから、文学フリマ的な作品だといえる。文学フリマの参加サークルの一部で卒塔婆が流行っているのだ。中身も、わかる人にはわかるネタが満載の、サービスいっぱいの作品だった。
山本さんの作品はいくつか読ませていただいたが、電子書籍版の「イムルダイ宣言 【エッセンシャル版】」と「少女○○して ここより先、春。」に出てくる秋山クレハという女子のキャラクターが好きで(僕の中では、柄の悪い涼宮ハルヒみたいなキャラということになっている)、本作「イカサレ」も女子が主役ということで、なんか山本さんは女子が主役の作品がイイ感じのような気がしているが、どんなもんでしょうか。
一方、相変わらずのダジャレ満載、面白さ満点の言い回しであふれた作品であるが、すこしそこに頼りすぎの感じもしないでもない。例の長いタイトルであるが、最終的に物語がそのタイトルに到達しているかというと、微妙だと思う。ノリが良すぎて核心の部分を乗り過ごしている気がする。
とかなんとかいろいろあるが、川原明日架はいいキャラである。
「はあ? なにを女の腐ったようなことぬかしとんねん。乳、揉まんかい」
世界再生の書物と一つの楽園
「世界再生の書物と一つの楽園」文庫版を第十七回文学フリマで買って、もう読んだ。面白かった。
http://unjyou.jimdo.com/%E4%B8%96%E7%95%8C%E5%86%8D%E7%94%9F%E3%81%AE%E6%9B%B8%E7%89%A9%E3%81%A8%E4%B8%80%E3%81%A4%E3%81%AE%E6%A5%BD%E5%9C%92/
気に入らなかった小説について語るとき、よく「説明が長い」みたいなことを言う。舞台設定とかキャラクター設定とかの説明がクドクド続くのはよくない、という言葉の裏には、「そんなことより話の本筋を読みたい」という欲求がある。
「世界再生の書物と一つの楽園」の4ページ目には、登場人物の名前が列挙してある。その数、22名。
そして本作の舞台は、現実世界ではないどこかであり、その世界で人間はそれぞれ一つずつ、特殊能力を持っている。この一冊の文庫本を読み進めていき、特殊能力の設定に行き当たったとき、我々は気が付く。
「22人のキャラ設定を説明するだけで、一冊終わるんじゃね?」
その予感は正しい。22名が出揃ったところで、本作はほぼ終わる。
もちろん、キャラクター設定だけでは、説明は足りない。「現実世界ではないどこか」が舞台なのだから、舞台についての説明もあるし、その世界の成り立ちも結構複雑である。巻末には138億年前(!)から西暦3333年に至るまでの年表が記載されている。
「説明が長い」「そんなことより話の本筋を読みたい」に対し、本作は、説明自体が本筋なのである。
この小説の面白さを、読んでいない人に説明するのは難しい。例えばキャラクターが一つずつ持っている特殊能力であるが、はっきりいって作中ではほとんど生かされていない。にもかかわらず、「なんかすごそう」という説明だけでドキドキさせられる。
僕はあまり例え話が好きではないのだが、「ジャイアントロボ 地球の燃え尽きる日」というアニメ作品では、静かなる中条という怪しいおっさんが「ビッグ・バン・パンチ」というなんかすごそうな技を使えることになっている。ところが、作中で結局1回も使わない。(準備運動まではする)それでも、「静かなる中条は本気出すとスゴい」という、いわばハッタリによって最後まで存在感を保つのであるが、
「世界再生の書物と一つの楽園」においては、大半のキャラクターが、静かなる中条みたいな感じである。なんか凄そうな奴らが、お互いの出かたを読みながら抜刀の機会を伺い続けるうちに、いつの間にか勝敗は決しているのだ。
……これで、面白さが伝わっただろうか。(たぶん伝わってない)とにかく読んでみたらいいと思う。電子書籍版も出ています。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00GJR2NJO
http://unjyou.jimdo.com/%E4%B8%96%E7%95%8C%E5%86%8D%E7%94%9F%E3%81%AE%E6%9B%B8%E7%89%A9%E3%81%A8%E4%B8%80%E3%81%A4%E3%81%AE%E6%A5%BD%E5%9C%92/
気に入らなかった小説について語るとき、よく「説明が長い」みたいなことを言う。舞台設定とかキャラクター設定とかの説明がクドクド続くのはよくない、という言葉の裏には、「そんなことより話の本筋を読みたい」という欲求がある。
「世界再生の書物と一つの楽園」の4ページ目には、登場人物の名前が列挙してある。その数、22名。
そして本作の舞台は、現実世界ではないどこかであり、その世界で人間はそれぞれ一つずつ、特殊能力を持っている。この一冊の文庫本を読み進めていき、特殊能力の設定に行き当たったとき、我々は気が付く。
「22人のキャラ設定を説明するだけで、一冊終わるんじゃね?」
その予感は正しい。22名が出揃ったところで、本作はほぼ終わる。
もちろん、キャラクター設定だけでは、説明は足りない。「現実世界ではないどこか」が舞台なのだから、舞台についての説明もあるし、その世界の成り立ちも結構複雑である。巻末には138億年前(!)から西暦3333年に至るまでの年表が記載されている。
「説明が長い」「そんなことより話の本筋を読みたい」に対し、本作は、説明自体が本筋なのである。
この小説の面白さを、読んでいない人に説明するのは難しい。例えばキャラクターが一つずつ持っている特殊能力であるが、はっきりいって作中ではほとんど生かされていない。にもかかわらず、「なんかすごそう」という説明だけでドキドキさせられる。
僕はあまり例え話が好きではないのだが、「ジャイアントロボ 地球の燃え尽きる日」というアニメ作品では、静かなる中条という怪しいおっさんが「ビッグ・バン・パンチ」というなんかすごそうな技を使えることになっている。ところが、作中で結局1回も使わない。(準備運動まではする)それでも、「静かなる中条は本気出すとスゴい」という、いわばハッタリによって最後まで存在感を保つのであるが、
「世界再生の書物と一つの楽園」においては、大半のキャラクターが、静かなる中条みたいな感じである。なんか凄そうな奴らが、お互いの出かたを読みながら抜刀の機会を伺い続けるうちに、いつの間にか勝敗は決しているのだ。
……これで、面白さが伝わっただろうか。(たぶん伝わってない)とにかく読んでみたらいいと思う。電子書籍版も出ています。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00GJR2NJO
灰とリコと欺瞞の唇
シリーズ第三話となる「灰とリコと欺瞞の唇」はタトホン08(2013/10/6)に委託で入手したのである。
http://touta25.blog7.fc2.com/blog-entry-373.html
この間の第十七回文学フリマの当時までに読み終えたのだが、(第四話が出る予定だったので。実際出た。)
2011年の6月に、僕は第一話である「灰とリコと導きの歌」の紹介として、こんなことを書いた。
http://0tas.blog118.fc2.com/blog-entry-311.html
しかし、第四話である「欺瞞の唇」を読んだ僕は、第一話は、あくまで第一話でしかなかったことを思い知らされた。以下は第四話の冒頭からの引用である。
過去の遺恨が徐々に暴かれ、おっさんたちは暗躍し、異能バトルの様相を呈しはじめ、神様みたいな存在まであらわれる。物語は異様なまでに盛り上がり、そして、一話あたり文庫本一冊くらいのボリューム全五話中の、これでまだ第三話なのである。はっきり言って面白すぎる。このさき大丈夫なのか。
第一話を読んだくらいで滅多なことは書かないほうがいいと思い知った僕だが、これだけはいえる。本シリーズは、近い将来の完結にむけて、いま最も注目すべき小説のひとつである。おまえらタイムラインばっか眺めていないで、あとで「ああ、あの人ね。むかし同人でやってた頃に読んだなあ。」とかほざく準備をしておくべきだ。
http://touta25.blog7.fc2.com/blog-entry-373.html
この間の第十七回文学フリマの当時までに読み終えたのだが、(第四話が出る予定だったので。実際出た。)
2011年の6月に、僕は第一話である「灰とリコと導きの歌」の紹介として、こんなことを書いた。
温泉町の外注メイドと、彼女たちの館を訪れた物乞いの女の子、それに住人たちの交流を描いた本作は、町に灰の降る美しいシーンからはじまる。緊張感とかわいらしさが調和する、ちょっと不思議だったりもする物語である。
http://0tas.blog118.fc2.com/blog-entry-311.html
しかし、第四話である「欺瞞の唇」を読んだ僕は、第一話は、あくまで第一話でしかなかったことを思い知らされた。以下は第四話の冒頭からの引用である。
ベッドの周りに散らばるのは下着、コルセット、ストッキング、黒のワンピース、白のカフス、ヘッドドレス、エプロン。エプロンの片隅にひっそりと咲くのはカスミ草。フローレンツ家のメイド服。
過去の遺恨が徐々に暴かれ、おっさんたちは暗躍し、異能バトルの様相を呈しはじめ、神様みたいな存在まであらわれる。物語は異様なまでに盛り上がり、そして、一話あたり文庫本一冊くらいのボリューム全五話中の、これでまだ第三話なのである。はっきり言って面白すぎる。このさき大丈夫なのか。
第一話を読んだくらいで滅多なことは書かないほうがいいと思い知った僕だが、これだけはいえる。本シリーズは、近い将来の完結にむけて、いま最も注目すべき小説のひとつである。おまえらタイムラインばっか眺めていないで、あとで「ああ、あの人ね。むかし同人でやってた頃に読んだなあ。」とかほざく準備をしておくべきだ。